先日、患者さんの一人が金縛りにあったそうで、怖かったその時の状況を真剣に話しを聞きました。
でも実は金縛りは一般的には霊的なものは関係がないということを、話を聞き終えた後にしました。
その理由を医学的に説明しても、理解が難しそうだったので、Tさんにお約束した通り、ブログに簡単にまとめて書こうと思います。
Tさん読んでくれるといいなぁ…
金縛りと睡眠の種類
金縛りを説明するにあたって、まず睡眠について簡単に書きます。
皆さんもご存知だと思いますが、睡眠には2種類の睡眠があります。
・脳も体も休んでいる、深い眠りの「ノンレム睡眠」
・体は休んでいても脳が活発に働く、浅い眠りの「レム睡眠」
個人差がありますが、この二つ睡眠が約90分おきに交互に訪れます。
金縛りは脳が働いている状態の浅い眠り「レム睡眠」のリズムのときに起こり、 別名で「睡眠麻痺」と呼びます。
金縛りはただの夢
結論から言いますと一般的に金縛りはただの夢です。
その理由は…
金縛りが起こるレム睡眠時は大脳の下の「橋」という場所からアセチルコリンという物質が放出され、視覚情報を統合する「視覚野」を刺激します。
この刺激により架空の視覚情報をつくります。
例えば…
・何かが身体に乗っている
・誰かがこっちを見ている
・身体の一部を何者かがつかんでいる
こんな表現を聞いたことがあると思いますが、金縛り中は意識がはっきりしていることが多く、その夢がより鮮明なものになります。
では金縛りは何で怖い体験なのか?
金縛りが怖い体験や霊的な体験となってしまうのには理由があります。
それはレム睡眠時は脳内の「扁桃体」という部分の血流量が増加することが関わっていると言われています。
扁桃体は恐怖の感情に関連があり、大脳の様々な領域と刺激し合って怖い夢をつくりあげるからです。
ですからどれだけ怖い体験でも金縛りは医学用語では「入眠時幻覚」と呼び、ただの夢というのが一般的な解釈になります。
どういうときに金縛りが起きやすいか?
・生活リズムが不規則
・睡眠の質が悪い
・自律神経の乱れ
・嫌なことや心配事・ストレスが多い
このようなことが特にあてはまらなくても起こることはもちろんあります。
また、10代が金縛りを経験することが多いというデータもあるようですが、明確な根拠はわかっていません。
Tさんへ
本当に怖かったでしょうし、そのあとからマイナスな出来事や恐ろしいことが続いたせいで「何かに取り憑かれている」などと心配されていましたが、基本的には怖がる必要がないと少しは思ってもらえたら幸いです。
悪いことの後にはいいことが待っていると信じましょう^^
長文になりましたが、読んでくださってありがとうございました。
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