肩関節の一部にカルシウムが沈着することで、五十肩と同じような症状で苦しむ方が時々来院されます。
意外と知らない方も多いですし、メールで問い合わせもあったので、簡単に症状のご説明をしたいと思います。
カルシウムの沈着とは?
肩関節の腱板や軟部組織にリン酸カルシウム(石灰)が沈着することで、強い痛みが出たり、腕の可動が制限されたりします。
沈着する石灰は、初期のころは液状で状態が少しずつ変化していきます。
液状 → 泥上 → 粉末状 → 骨化
上記のように変化し、白血球によって貧食・吸収される過程で炎症が起きたりすることから、石灰性腱炎(石灰沈着性腱板炎)などと呼ばれます。
耐え難い痛みになることも
「腕を動かさなくても痛い」
「何もしていなくても常に痛い」
「寝る時も痛くて寝づらい」
こんなふうに痛みを表現する方も多く、前述したように腱板にリン酸カルシウムが沈着し、炎症が起きると腕の動作時でなくても痛む事があります。
酷い痛みの場合、病院では痛み止めや局所麻酔、ステロイド注射をはじめ、注射針での石灰の吸引や骨化した部分を取り除く手術を要する場合もあります。
発症の原因が医学的に明確になっていませんが、40~50代で好発します。
少し肩がが痛むくらいですと軽視してしまいがちですが、我慢したり、放置している期間が長くなればなるほど、悪化する恐れがあります。
やはり、痛みや違和感を感じた時点で早めのケアが大切ですし、ご自身の症状の正確な状態を知らずに放っておくことが、強い症状に繋がる原因になることもあるので注意しましょう。